WBC世界ライト級挑戦者決定戦 フランク・マーティン対アルテム・ハルチュニャン

  • 2023/07/07

17戦全勝のサウスポー vs 五輪銅メダリスト
王者候補マーティンに要注目

 17戦全勝(12KO)のフランク・マーティン(28=アメリカ)と12戦全勝(7KO)のアルテム・ハルチュニャン(32=アルメニア/ドイツ)がWBC世界ライト級王座への挑戦権をかけて拳を交える。全勝対決だがオッズは12対1、サウスポーのマーティンが圧倒的有利と見られている。
 マーティンはアマチュア時代に2015年全米ゴールデングローブ大会出場3位、2016年全米選手権準優勝、同年全米ゴールデングローブ大会では決勝でバージル・オルティス(アメリカ)に勝って優勝という実績を残し、2017年10月に22歳でプロデビュー。しばらくはリスクの少ない相手との試合が続いたが、2年前からマニー・パッキャオ(フィリピン)対ヨルデニス・ウガス(キューバ)の前座に出場するなど注目ファイトの前座に起用されることが増え、同時に対戦相手のレベルがアップした。元世界ランカーのロメロ・デュノ(フィリピン)に4回TKO勝ち、世界挑戦経験者のジャクソン・マリネス(ドミニカ共和国)に10回TKO勝ち、そして直近の試合では全勝の世界ランカー、ミシェル・リベラ(ドミニカ共和国)に大差の12回判定勝ちを収めている。スピードと勘のいいサウスポーのボクサーファイター型で、カウンターの左が巧くて強い。
 対するハルチュニャンはアルメニア出身で、移住先のドイツ代表として出場した2016年リオデジャネイロ五輪ではライト・ウェルター級で銅メダルを獲得している。2017年11月にプロ転向を果たし、6年間で12連勝を収めている。2021年にWBCインターナショナル王座を獲得してはいるが世界的な強豪との対戦経験は皆無で、ホームのドイツを出て戦うのも今回が初めてとなる。ガードを高めに置いた構えから出入りして攻防の組み立てをするボクサーファイター型で、空いているところを突くのが巧みだ。
 ともに主導権を握るために動きながら様子を探ることになりそうだが、スピードとパンチ力で勝ると思われるマーティンが圧倒的に有利と思われる。プレッシャーをかけておいて相手を誘い出し、そこに左のカウンターを合わせる可能性が高そうだ。

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