2023年3月に逝去した坂本龍一が最後に残したシアターピース(劇場作品)。坂本が長年意識していた「時間」というテーマに挑んだ舞台作品。
12月21日から東京都現代美術館で、国内では初となる大規模展覧会「音を視る 時を聴く」が開催される坂本龍一。彼が全編を書き下ろし考案したコンセプトのもとに、アーティスト・グループ“ダムタイプ”の高谷史郎がヴィジュアルを担当し共に創作した「TIME」を放送・配信。本作は、2017年から約4年の製作期間を経て、2021年にオランダ・アムステルダムで行なわれた世界最大の芸術舞台の祭典「ホランド・フェスティバル」で世界初演され高い評価を得たもの。日本での初公演は、坂本龍一の逝去からちょうど1年後の2024年3月に行なわれた。暗闇の中、雨音だけが響く空間。水鏡のように舞台上に揺らぐ水面と、精緻な映像を写し出すスクリーン。「こんな夢を見た」の語りで始まる夏目漱石の「夢十夜」(第一夜)、「邯鄲」、「胡蝶の夢」。一連の物語と溶け合うテキストとともに紡がれるのは、本作を包括するテーマ「時間」だ。出演は、田中泯、宮田まゆみ(笙)、石原淋。彼らのパフォーマンス、そしてサウンド、インスタレーション、ヴィジュアルアートなど、そのすべてが光と水が交錯し幻出するいくつもの「夢」と融合するさまを、体感していただきたい。
収録日・収録場所
- 2024年3月28日/東京 新国立劇場 中劇場
出演
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田中泯
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宮田まゆみ
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石原淋
スタッフ
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音楽+コンセプト坂本龍一
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ヴィジュアル・ディレクション高谷史郎
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